「グァナファト」に一番近い空港は「レオン」
メキシコシティーから国内線で、40分ほどのフライトだ。そこからの道のりは、バスかタクシーになる。
5月のメキシコは、思ったほど暑くはなかった。「レオン」の町を離れ、郊外にさしかかると、レンガを積み上げて造られた、ほこりっぽい、くすんだ色の、美しいとは言いがたい家並みが、丘陵に見え隠れしながら、しばらく続いた。
「本当にこの近くに、メキシコで一番美しい町が、存在するのだろうか」と、半信半疑になり始めていた矢先、
「あ、あれだ」
間違いなく「グァナファト」の町だと、確信がもてるほど、そこには今までとは、まったく異なる世界が広がりはじ
めた。
カラフルな建物が、いきなり目に飛び込んできたのだ。
そんな景色を、頭上に見上げるあたりまで近づいた時、タクシーは狭いトンネルに入っていった。
「グァナファト」は銀の採掘で、莫大な富を得た町だ。銀の精錬には水が不可欠だった為、丘の中腹まで広がる町の地下には、四方八方に広がる地下水道が作られた。
それが今では、素朴なトンネルとして残り、バスも行き来する、立派な交通網になっているのだ。
いきなり展開された、ユニークな景色を、ゆっくり眺める暇もなく、車は町の中心地に到着していた。
けっして大きな町ではないのだ。