沈みかけている太陽に、照らされた町中はまだ薄明るかったが、時計を見ると、すでに
8時を過ぎていた。とりあえず荷物を部屋に置き、シャワーを浴び、町に繰り出すと、
すでに陽はすっかり暮れていたが、路上はものすごい人で溢れかえっていた。
その人混みに圧倒され、早々に宿にもどり、明日からの英気を養おうと、ベッドにもぐり込むと、今度は、近くにあるカテドラルの鐘が、延々と鳴り響き始めた。
「旅情」と言う、ノスタルジックな言葉の響きは、マッチしない、活気に溢れる町と
いう、強力な印象を受けた第一日目の夜だった。